おじさんは糖尿である。2

糖尿病と診断された後、

医師から食事のとりかたを指導された。

 

●13回、規則正しくとること

白米も適量をちゃんと食べる

お菓子は週1回ならOK

長い付き合いなのでストレスを溜めないように。

 ドカ食いは避けて。

 

……今思えばわかるのだが、糖尿病には

コレを食べれば良い。と言うのは、ない。

 

糖尿病は、何でも食べて良いのだ。

しかし、当時のおじさんは、

いったい何を食べればいいのだと、

途方に暮れていた。

いっそ、コレだけ食べてろ!

的な事を言って欲しかったのである。

 

しかし、糖尿初心者に世の中の人は、

アドバイスをしたがるのである。

 

まず、薬剤師が言い放った。

「おじさん、糖尿病なんて、肉を食べてればいいのよ」と

ドヤ顔で。

おじさんが待っていた、“コレだけ食べてろ!”的な

アドバイスであったが、元来、あまのじゃくなおじさんは、

顔につくり笑いを浮かべながら

「なんで医者でもないお前に、

そんな事言われなアカンネン!」と心に思っていた。

後日、医師に告げ口もした。

 

つぎに、職場のお節介なおばさん。

おばさんは、いったいどこの情報?

と聞き返したくなる情報を、

あれやこれやぺらぺらと

教えてくださった。

「毎日1回魚を食え」、

「蕎麦がいい」、

「ミネラル豊富な水を飲め」などなど。

一応、お節介なおばさんのアドバイスは、

有り難く聞き入れて、しばらく続けてみた。

もちろん糖尿病改善のためではなく、

人間関係維持のためである。

 

で、結局、おじさんがたどり着いた結論は、

「早く自分のフォームをつくれ」でした。

食事内容を習慣にすること。

これをすることで、

アドバイスしたがる人に何を言われようが

ブレなくなる。

さらに、万一その食事内容が間違っていたとしても、

また新たな習慣をつくれば良いのだ。

 

で、これに気づいた時から、

おじさんの血糖値は下がって行った。