おじさんは、昼食を買うため
イトーヨーカドーに行った。
カップラーメンを選び、レジに並ぶ。
カバンを持っていなかったので、
一枚2円のビニール袋をください!
という札を渡す。
童話の挿絵に出てくる魔女のような
レジのおばさんが
「大きいビニール袋と小さいビニール袋があります。
料金は変わらないのですが、いかがいたしますか?」
と、一日数十回繰り返すであろう言葉を
抑揚のない声で言う。
聞きながら、ぼんやりと
『舌切り雀』の話を思い出していた。
欲張りなおじさんは、
大きなビニール袋を選んだとさ。